私たち三人の関係をもし何かの形で表現するのなら

　それはきれいなきれいな正三角形

　私は彼らのことが同じくらい大好きで

　きっと彼らも私をお互いと同じくらいに好きでいてくれている

　…問題は男から男への気持ちが『愛情』で

　女から男に捧げられた気持ちが『友情』であるという点だけ

 

 

 

 

　でもテニス部でダブルスを組み　全国まで行っちゃう二人だもの

　邪魔をしようなんてちっとも思わないし

　かえって応援したくなっちゃうくらい　本当に大好きなのだ

 

 

 

 

　そんな全国間近の教室の中で　月刊プロテニスを開くのは…

 

 

 

 

　「きゃーっ、ちょっとちょっと新菜っ」

　「なあに　小春ちゃん…」

　「この子可愛いと思わない？　一目見てわかっちゃった　これって今流行のツンデレってヤツよ」

　「ツンデレねえ…」

　「氷帝の日吉くんっていうのね。チェックチェック…」

　「ところで小春ちゃん」

　「ホント今年の全国は大漁だわ　立海の切原くんも美味しく育ってるみたいだしッ」

　「だから　小春ちゃんってば」

　「なによ」

　「うしろ…」

 

 

 

 

　「こぉんのーっ　浮気者ぉぉぉぉーーーーっっっ！！！！」

 

 

 

 

　神様　仏様　こんな調子で準決勝は大丈夫なんでしょうかね

　東京まで追いかけて行けない我が身が悲しすぎる

　あの人たち　今頃どうなっているのかな…

 

 

 

 

 

　それからしばらくして

　テニス部顧問のオサム先生から届いたのは謎のビデオ

　でもその中には　仲良く手を繋いで会場を行進するあの二人組がいて

　いつもの調子に戻って　やっぱりニタニタしてしまう私がいた