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79      さよならの後の寂しさを覚えた夜  (黒羽春風)
 
 
 
 
 
 このまま時間が止まってしまえばいいのにって
 無理だとわかっているくせに そう思ってしまう
 せめて六角中のまま高校生活が始まればいいのに
 
 
 
 
 「ハルはやっぱり推薦? テニスの」
 「まーな」
 「スポーツ名門の男子高か 凄いね」
 「人のこと言えねーだろうが」
 「まあ…私もバスケ関連で女子高に行くんだけれど」
 
 
 
 
 新しい環境に不安があるわけじゃない
 ただ こうしてハルと並んで帰ることもなくなっちゃうんだろうな
 いつかはそんな世界に慣れてしまうのだろうか
 そして こんな切ない気持ちも忘れてしまうんだろうか
 
 
 
 
 
 「じゃな」
 「また明日ね」
 
 
 
 
 奴が消えて行くのは隣の家の玄関
 悔しいけれど あいつ何もわかっていないんだろうな
 
 
 
 
 
更新日時:
2005/07/28
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Last updated: 2010/5/14