日の光がそのまま糸になったかのように
優しくなびいていた大好きな金色の髪
それが無惨な形でコートの上に散らばったとしても
私の指はその柔らかな感触を今でも忘れてはいない
でも彼の髪が元通りになる時が来たとしても
あの頃と同じような心でいてくれるとは限らない
心の奥深くに刻まれた大きな傷
今の私はそれを癒してあげることさえ出来ずにいるの
「バッサリ切った私の髪で 前と同じ髪型のカツラを作るとか」
「…やめておけ」
眠っているのかとばかり思っていた唇が小さく動いた
「俺の指先が寂しくなっちまうだろうが」
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