LOVERS

6      理論武装の恋   (観月はじめ)
 
 
 
 
 
 『恋』って 一体何なのでしょう
 
 
 
 
 自分にとってたった一人の存在が 特別になるというのは
 そこにもの凄く重要な意味があるような気がします。
 それこそ遥か昔から 哲学者やら化学者たちが集まって
 やりたい放題分析しまくっちゃっているんじゃないでしょうか
 もしかしたらこの分野で 一人くらいノーベル賞を取っていたりして
 (だって私 頭の良い人の考えていることなんてわからないし)
 一人の人間に対して極端に気持ちが高揚しちゃうなんて
 まさに細胞レベルの謎だと思いませんか?
 あー そういうのって 論じ始めたら止まらなくなりそう
 
 
 
 
 「…あなたはひょっとしなくてもバカでしょう」
 こういうことに一番詳しそうな人は そう私を言い捨てた
 「ひどっ」
 「だいたいこの世の中の人間の数だけ恋も存在しているのですよ
 その分析などを始めたら いくら時間があっても足りません」
 何故かその声はいつも以上にイライラしているように聞こえてしまった
 「あなたは人を愛したことなどないでしょう?」
 「どうしてわかるの?」
 「恋をした人は恋を理解しようだなんて思わないからですよ」
 
 
 
 
 結局の結論 『恋は理屈や理論では語れない』
 でも有意義な語らいだったとは思いません?
 観月くんがこんなにもロマンチストだったって 私初めて知ったんだもの
 
 
 
 
 「じゃあ観月くんは好きな人がいるんだね?」
 「んふっ それは内緒です」
 
 
 
 
 
更新日時:
2004/12/07
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Last updated: 2010/5/14