自分から口付けてはいけない
『愛している』と言ってもいけない
まるで十二時という時間に縛られた姫君のように
それらは私の全てを束縛し続ける
シルクの下着が下に落とされても
優しい手で愛撫を繰り返されたとしても
私は自分の意識を決して手放したりしない
なんて不毛な恋
でも…もし本気になってしまったら
私という存在は サラサラと乾いた砂になって
あの人の手の隙間からこぼれ落ちてしまう
バーカ
いつまでも下らねぇ意地張ってんじゃねーぞ
悔しかったら 起きたときに左手の薬指をチェックするんだな
きっかり三時間後にはその体を白いドレスで包んでやる
初めての口づけは祭壇の前で
強引に奪ってやるから覚悟しな
|