LOVERS

52      残された刻印   (仁王雅治)
 
 
 
 
 
 「よぉ 新菜」
 そう声をかける彼もやっぱりの不思議顔
 トレードマークともいえるツインテールをおろしているせいだ
 「どうしたんじゃ それ…」
 「雅治のせいだからね」
 「なして?」
 肝心なことを忘れてしまうのは 彼が詐欺師だからか
 それとも全ての男がそうなのか
 「あれだけ目立たないところにしてって言ったのに…」
 「あー なるほど」
 長い髪を持ち上げると うなじのあたりに見えるだろう赤い印
 それを知ってか知らずか しっかりと刻んだのは目の前にいる恋人で
 「なら今度は新菜の一番感じる太股のあたりに…」
 「駄目ええーーーっっ!!」
 「だって目立たないところって」
 「バカあああーーーっっ!!」
 
 
 
 
 
 
更新日時:
2004/12/05
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Last updated: 2010/5/14