LOVERS

51      視線だけの約束   (芥川慈郎)
 
 
 
 
 
 何事にも真面目な優等生
 そんな私も決して嫌いではないの
 きっちりと着こなす制服と 縁のない眼鏡
 時々それがきつく見られるらしいけれど これだって私だもの
 
 
 
 
 廊下を何気なく歩いていると聞こえてくるのは
 女の子たちの囁くような…はしゃぐような…そんな声
 こういう時は学校の有名人が訪れたということ
 私とそう背丈の変わらない 柔らかな金髪の男の子は
 私とすれ違う一瞬 軽く片目を閉じた
 
 
 
 
 “キョウ イッショニ カエロウネ”
 
 
 
 慌てて駆け込んだ女子トイレにある鏡
 そこにいるのは ありえないくらい真っ赤な顔をした私
 どうしよう…どうしよう…こんなの私じゃないよ
 でも きっとそう思っているのは私だけ
 
 
 
 
 もう自分自身ではどうしようもないくらい
 ジローくんが好きなんです
 
 
 
 
更新日時:
2005/01/12
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Last updated: 2010/5/14