LOVERS

43      素肌の鼓動を重ね合って   (仁王雅治)
 
 
 
 
 
 ちょっと前までは片想いだったの
 本人の側に行くことさえ戸惑ってしまうくらいの…
 
 
 
 
 目が覚めると サラサラとなびく銀色の糸が見える
 いつもは赤い紐で束ねられている彼の髪が
 どれくらいの長さであるかなんて 想像したこともなかった
 でも今の私は それに自由に触れることを許されている
 
 
 
 
 「ねえ これって夢なんじゃないのかな」
 眠っていた私を抱きしめてくれる大好きな人
 吐息がまつげに触れてしまいそうなくらいの近さで
 これが夢でないのなら 一体何なの!?
 
 
 
 
 細くて長い指が私の茶色の髪を滑ってゆく
 「これがもし夢だったとしたら」
 「したら?」
 「ずっと覚めなきゃよか そう思うだけじゃ」
 
 
 
 
 ねえ 雅治
 こうしていつもの何気ない言い方で
 いつまでも私のことをその気にさせてね
 
 
 
 
 
更新日時:
2005/09/25
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Last updated: 2010/5/14