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伸ばされた手に忠誠のキスを (真田弦一郎) |
その手は期待していたままに 大きくて 肉厚で
きっと私の手を本気の力で握ったのなら
ボキボキという音と共に 一瞬で崩れてしまいそう
何度も悔しさを握りしめたことのある
本当の強さを知っている手
でも私を抱き寄せる時は
手を繋ぐ時は
頬を包む時は
肌に触れる時は
一時の期待をあっさりと裏切るほどに優しくて
そのギャップが私の胸を更に熱くさせてしまう
私の横で眠り続ける彼の手をそっと取って
その繊細な指に口づけてみた
皇帝陛下に永遠の忠誠を
そして愛する人に 偽りのないこの想いを
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