LOVERS

13      緩くまわされた腕   (丸井ブン太)
 
 
 
 
 
 桜の花びらがサーッと風に舞って
 まるで空気の全てがピンク色に染まったみたい
 そんな中でもやっぱり目立っている赤い髪を見つけて
 慌てて走り寄っていった
 
 
 
 
 「おはよう ブン太!」
 「ん…?」
 振り向いた彼の口元には
 おそらくは買ったばかりの苺のドーナツ
 …ああ やっぱり花よりお団子の人でしたか
 それでも苺のピンク色が春を思わせるみたいで
 その偶然がやっぱり嬉しかった
 
 
 
 
 片手にドーナツを持って
 そしてもう一方の腕に私が腕を絡めて
 今しかない新しい季節の中を
 こうして2人で歩いてゆこう これからもずっとね
 
 
 
 
 
 
更新日時:
2005/05/15
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Last updated: 2010/5/14