東京と大阪の間を走る 2人の為の長距離コール
「先輩たちの言うことちゃんと聞いてる?」
「おうっ ちゃーんともらさず聞いとるで」
「聞くだけじゃ駄目だよ 勝手なことしたら迷惑がかかるんだから…」
「心配せんでもええよー 俺めっちゃええ子にしとるで」
言い訳というよりも 開き直りの域に入った言葉たち
それらを呆然と聞くのは この子を誰よりも可愛がる先輩たちだ
「…おかんからかいな?」
「まだ金ちゃんも中一やからな 何かと心配なんやろ」
「手ェかかる子ほど可愛い言うしな」
「ちゃうで」
それは寝そべりながらニコニコ笑っている部長の声
「白石?」
「あの電話の相手なあ 『ちっちゃいおかん』の方やねん」
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