「んっ」
カーテンの合間から射し込むわずかな光
その光につれられ、アンジェリークは目を覚ました。
ドキッ
「ゼフェル様…」
鋼の守護聖ゼフェルと、元女王候補のアンジェリーク。
ちょうど今から一週間前、みんなに祝福されて結婚した。
朝、目が覚めて
隣を見るとゼフェルがいる。
夫婦となった今となっては当たり前のことなのに、
まだ信じられなくて
なんだか夢のようで
少し不安になる。
だから、ちょっと彼に触れてみる。
そっと
起こしてしまわないように
始めに手を握って
それから、ちょっと硬めな髪の毛
顔
ほっぺ
そして頬に優しくkiss
目が覚めるのは早くても、
さきに起きるのはゼフェル様が先
だから、今日こそはって思うのに、
ゼフェル様を見ているとなんだか眠くなって…
きっと…安心しちゃうせいね…
そのままアンジェリークは眠りについた。
☆ ☆ ☆
「ん゛」
それから暫くしてゼフェルが目を覚ます。
愛おしい彼女が隣で眠っていることを確かめると、
頬に優しくkiss
「んっ、ん〜。」
私はいつもゼフェル様からのkissで目が覚める。
「起きたか?」
ちょっと掠れた声
「ん…。おはようございます。ゼフェル様…」
まだ眠そうな目を擦りながら、アンジェリークは答える。
朝は好き。
カーテンの合間から射し込む、お日様の光が気持ちいいから
ゼフェル様のちょっと掠れた声が好きだから。
ゼフェル様が優しいから
手が
私に向けてくれる笑顔が
「どうした?黙り込んで。」
「えっ?いえ、なんでもないです。」
いつもゼフェル様は笑顔で返してくれる。
はずなのに…
なんだか不満そうな顔…。
どうして??
アンジェリークが不思議そうな目でゼフェルを見ると、その視線に気付き口を開いた
。
「なあ。」
「はい?」
アンジェリークはゼフェルの不満そうな顔に少々不安を感じた。
「前から思ってたんだけどよー。そろそろその敬語やめねーか?」
「ほえ?」
まったく予想外のことを言われたので、思わず間の抜けたような声を出してしまった。
「せっかく夫婦ってやつになったっつーのに、敬語はないよなあ。
それに、様付けも止めろよな。」
確かに。昔のように亭主関白の時代でもあるまいし。
でも、今までずっと使ってきたのに、今更変えるなんて…
なんだか恥ずかしい。
その様子を察してかゼフェルがにやりと笑う。
むっ、何だか嫌な予感…
その予感はみごと的中!
「ほら、早速言ってみろよ。」
「ええっ!?」
「ほら。」
「そんな、急には無理ですよ!!」
「そんなことねーって。ほら、言ってみ。」
「え〜っ、…ーー…。
〜〜〜〜〜っ!!やっぱり無理です〜。」
言ってみようと思ったものの、恥ずかしさが邪魔してなかなか言えない。
「…」
??ゼフェル様?
急に黙り込んだゼフェルを不安そうな顔で覗き込んだ。
「あの…怒っちゃいました?」
「…ま〜た、使ったな〜〜。」
「えっ?!」
あっ、やばい!この顔は何かをたくらんでいる!!
「そーゆーヤツはー」
!!!
「ゼフェル様ーーーー!!」
「様ぁ?」
!
んんーーっっ!!
「もうっ!ゼフェル様ぁ!」
ゼフェル様、絶対楽しんでる。
意地悪〜〜〜っっ。
「聞き分けのない奴だな〜。そういう奴は…
こうだ!!」
「キャ〜〜〜〜〜!!」
END
『Fancy dream place』様にて400番をゲットした時に頂いた創作です。ゼフェ温でラブラブな新婚さんモノをリクエストしたら、こんなに可愛らしくて幸せなお話を下さいました。本当に有り難うございました。
切っても切ってもラブラブが出てくる金太郎飴状態な2人がすてきっ。あまりにも美味しいそうなシチュエーションによだれが出そうなわしでございます。ごちそうさま(はぁと)
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