FOR ME

2      幸せな時間   STORY BY 桜華鈴様    
 
 
 
 
 
「んっ」
 
カーテンの合間から射し込むわずかな光
その光につれられ、アンジェリークは目を覚ました。
 
 
 
ドキッ
 
「ゼフェル様…」
 
 
鋼の守護聖ゼフェルと、元女王候補のアンジェリーク。
ちょうど今から一週間前、みんなに祝福されて結婚した。
 
 
 
朝、目が覚めて
隣を見るとゼフェルがいる。
 
夫婦となった今となっては当たり前のことなのに、
 
まだ信じられなくて
なんだか夢のようで
少し不安になる。
 
だから、ちょっと彼に触れてみる。
 
そっと
 
起こしてしまわないように
 
始めに手を握って
それから、ちょっと硬めな髪の毛
ほっぺ
 
そして頬に優しくkiss
 
 
 
目が覚めるのは早くても、
さきに起きるのはゼフェル様が先
だから、今日こそはって思うのに、
ゼフェル様を見ているとなんだか眠くなって…
 
 
 
きっと…安心しちゃうせいね…
 
 
 
そのままアンジェリークは眠りについた。
 
 
 
☆ ☆ ☆
 
 
「ん゛」
 
それから暫くしてゼフェルが目を覚ます。
愛おしい彼女が隣で眠っていることを確かめると、
頬に優しくkiss
 
 
 
「んっ、ん〜。」
 
私はいつもゼフェル様からのkissで目が覚める。
 
 
 
「起きたか?」
 
ちょっと掠れた声
 
「ん…。おはようございます。ゼフェル様…」
 
まだ眠そうな目を擦りながら、アンジェリークは答える。
 
 
 
朝は好き。
 
カーテンの合間から射し込む、お日様の光が気持ちいいから
 
ゼフェル様のちょっと掠れた声が好きだから。
 
ゼフェル様が優しいから
 
手が
私に向けてくれる笑顔が
 
 
 
「どうした?黙り込んで。」
 
「えっ?いえ、なんでもないです。」
 
いつもゼフェル様は笑顔で返してくれる。
 
はずなのに…
 
なんだか不満そうな顔…。
どうして??
 
アンジェリークが不思議そうな目でゼフェルを見ると、その視線に気付き口を開いた
 
「なあ。」
 
「はい?」
 
アンジェリークはゼフェルの不満そうな顔に少々不安を感じた。
 
 
 
「前から思ってたんだけどよー。そろそろその敬語やめねーか?」
 
「ほえ?」
 
まったく予想外のことを言われたので、思わず間の抜けたような声を出してしまった。
 
「せっかく夫婦ってやつになったっつーのに、敬語はないよなあ。
それに、様付けも止めろよな。」
 
確かに。昔のように亭主関白の時代でもあるまいし。
 
でも、今までずっと使ってきたのに、今更変えるなんて…
なんだか恥ずかしい。
 
 
 
その様子を察してかゼフェルがにやりと笑う。
 
むっ、何だか嫌な予感…
 
 
 
その予感はみごと的中!
 
「ほら、早速言ってみろよ。」
 
「ええっ!?」
 
「ほら。」
 
「そんな、急には無理ですよ!!」
 
「そんなことねーって。ほら、言ってみ。」
 
「え〜っ、…ーー…。
〜〜〜〜〜っ!!やっぱり無理です〜。」
 
言ってみようと思ったものの、恥ずかしさが邪魔してなかなか言えない。
 
 
 
「…」
 
??ゼフェル様?
 
急に黙り込んだゼフェルを不安そうな顔で覗き込んだ。
 
「あの…怒っちゃいました?」
 
「…ま〜た、使ったな〜〜。」
 
「えっ?!」
 
あっ、やばい!この顔は何かをたくらんでいる!!
 
 
 
「そーゆーヤツはー」
 
!!!
 
 
 
「ゼフェル様ーーーー!!」
 
「様ぁ?」
 
 
 
んんーーっっ!!
 
 
 
「もうっ!ゼフェル様ぁ!」
 
ゼフェル様、絶対楽しんでる。
意地悪〜〜〜っっ。
 
「聞き分けのない奴だな〜。そういう奴は…
こうだ!!」
 
 
 
「キャ〜〜〜〜〜!!」
 
 
 
 
END
 
 
 
 
 
『Fancy dream place』様にて400番をゲットした時に頂いた創作です。ゼフェ温でラブラブな新婚さんモノをリクエストしたら、こんなに可愛らしくて幸せなお話を下さいました。本当に有り難うございました。
切っても切ってもラブラブが出てくる金太郎飴状態な2人がすてきっ。あまりにも美味しいそうなシチュエーションによだれが出そうなわしでございます。ごちそうさま(はぁと)
 
更新日時:
2003/01/27
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Last updated: 2010/5/12