「国光のばかぁーっ!!」
思いっきりそう叫んだ直後の喉が痛かった
こうなった理由なんて思い出せない
私が我が儘を言ったせいかもしれないし
彼がデリカシーを理解しないせいかもしれないし
でも気がついた時は 地面を思いっきり蹴って
その場から駆けだしていた
「待て 梨緒!」
「待たないもん なによ…離してよ!」
簡単に追いつかれて掴まれた腕は
痛みよりもその熱さが怖いくらい伝わってくる
「いいや 離さない」
「どうして…どうしてそんなこと言うのよ」
「ここで離したら きっともう二度と会えなくなる…」
我が儘を言ってしまうこともあるの
時にはそれが自分でも止められないかもしれないの
自分自身で積み上げて行く高い感情の壁
ねえ あなたはそれでも乗り越えて来てくれる?
「ごめんなさい…」
そうしたら私 誰よりも素直な女の子になれるのよ?
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