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23      素直な気持ち   (鳳長太郎)
 
 
 
 
 
 「突然呼び出してしまってごめんなさい」
 夏休みも真ん中を迎える頃
 照り返しも眩しいアスファルトの道を並んで歩く
 「別にかまわないわよ 長太郎くんの誘いなら」
 「ありがとうございます」
 
 
 
 
 でも今日の彼の笑顔はどこか影がつきまとっている
 深く思い悩んでいるような…そんな重い表情
 「長太郎くん?」
 「氷帝が全国に行くことになったんです」
 開催地枠…そんなものがあることを初めて知った
 「おめでとう! よかったじゃない」
 「でも俺達は敗北を存分に知ってしまったから
 本当に喜んで良いのか どうすればいいのか わからないんです」
 
 
 
 
 真面目でひたむきだからこそ
 それを単なる幸運だとは思いたくなくて
 
 
 
 
 「それでも行かなくちゃ」
 「でも…」
 「これからの氷帝を支える者として しっかりとその目と体で 全国を知らなきゃ」
 少し離れていた体同士が ゆっくりと一つに重なってゆく
 
 
 
 
 
 「いつでも応援してる だから頑張って」
 
 
 
 
 
更新日時:
2005/02/04
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Last updated: 2010/5/14