いつも決まった時間にかけてきてくれる電話
きっと寮生活の中で必死に時間をやりくりしてくれていて
思えばそれで彼の愛情を計っていたのかな
それがないだけでこんなに落ち込んでしまうなんて
私 これまでずっとあっちゃんに甘えていたんだなあ
本当は頑張っているあっちゃんを
私が支えてあげなくちゃいけないんだけれど
ーうまくいかないなあ
…コツン…
突然窓に石のようなものが当たる音
一体なんだろう…こっそり覗いてみた窓の外で
長髪の代わりに赤いはちまきが揺れている
「あっちゃん!?」
「…ただいま 梨緒」
大慌てで下に降りて 外で待っていてくれた人の腕に飛び込む
「どうしたの?」
「家の用事でちょっと帰郷」
憎らしいくらいの笑顔と寒さに震えている体
それにしっかりとしがみつきながら
「あまり心臓に悪いことしないでね…」
「そうだね なるべく控えるようにするよ」
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