ステンドグラスの光が射し込む教会の中で
主の誕生を祝う 少年の美しい歌声
自分たちは一番後ろの席で並んで座って聞いていた
「本当に素敵ね」
「あん?」
「観月くんの声が教会中に響いて とてもキレイ」
認めたくはないが 認めなくてはならないのだろう
ほっとけばいつまでも毒舌ばかり走らせる奴の口も
聖なる場所では 質そのものが変わるのだろう
「いつか自分にもこういうことが起これば良いな」
「何が」
「小さな教会で 白いドレス着て 好きな人と永遠の愛を誓うこと!」
「どうしてそこまで話が飛ぶんだ?」
「吉朗のボケ…」
真っ赤になって膨れている横顔を見ているとな
無性に笑い出したくなって来るんだよ
バーカ お前の本音なんて本当は解っている
でも肝心な事はやっぱり俺の方から言わなくちゃな
いつか訪れるだろう そう遠くない未来
ん? ということはそれまであの男との付き合いも続くのか?
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