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待っているから (木手永四郎) |
九州の2強がそれぞれ転校したと聞いた時から
その覚悟は決まったのかもしれない
この小さな南の島から叩きつける
難攻不落の大都会への挑戦状
やるだけの価値はあると思った
そのために自分たちがどんな悪役になったとしてもだ
必死になってかき集めた
それでもよいと言ってくれる仲間たちと共に
「あれ? 新菜一人?」
「うん」
「そばに木手くんがいないのって なんか不思議だね
今はテニスの大会で東京だっけ」
「テニスというよりも…戦いへ かな」
この夏の沖縄よりも熱い永四郎の心
でも どうか忘れないでいてね
私も あなたも チームメイトのみんなも
どこまでも続く青い空と それを映す透明な海
その美しさに抱かれて これまで育ってきたのだから
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